七五三の母親の着物は訪問着?色無地?主役はお子さんという視点で選ぶ装い

七五三、母親の着物は「どちらが正解」というより「どちらでも大丈夫」

七五三を控えたお母様から、「訪問着と色無地、どちらを着ればいいですか」という相談をよく受けます。結論からお伝えすると、どちらを選んでも間違いではありません。

手元に両方お持ちの場合は、訪問着をおすすめしています。理由はシンプルで、七五三の主役はあくまでお子さんであり、母親はそれに次ぐ「準主役」という立ち位置になるためです。準主役にふさわしい華やかさを添えられるのが、訪問着のよいところだと考えています。

訪問着と、同じように礼装寄りで使われる付け下げの違いについては、訪問着と付け下げの違いで詳しく紹介しています。「そもそも訪問着とはどんな位置づけの着物か」を確認したい方は、あわせて読んでみてください。

「主役を立てて控えめに」は、思うほど難しくない

「お子さんより控えめに」と言われると、どこまで抑えればいいのか悩む方も多いのですが、実際にはそこまで神経質にならなくて大丈夫です。七五三の子供の晴れ着は、もともと非常に華やかに作られています。それより目立ってしまう訪問着や色無地は、まず存在しません。

気をつけたいのはむしろ別の点で、着る方の年代にあまりそぐわない色柄の着物や帯を選ばないことくらいです。ここでいう「年代にそぐわない」というのはあくまで目安であり、実際に似合うかどうかは一人ひとり違います。年代だけで色柄を型にはめず、ご自身に似合う色を優先して選んでよい部分だと思います。

祖母が同席するなら、格のバランスを意識する

七五三には祖母が同席されることも多く、その場合は母親と祖母の装いのバランスも考えておきたいところです。目安としては、母親が祖母より格の高い装いにすると全体がまとまりやすくなります。例えば、祖母が色無地、母親が訪問着という組み合わせにすると、立場に応じた格の違いが自然に表れます。

逆に、ご自身が祖母の立場で出席される場合は、母親より華美になりすぎない格の着物を選ぶと、全体のバランスが取りやすくなります。色無地は主に紋の数で格が変わる着物です。見た目の似た江戸小紋との違いや、紋の数による格の目安は色無地と江戸小紋の違いで紹介していますので、手持ちの色無地がどの格に当たるか迷ったときの参考にしてください。

まとめると、七五三の装いは「主役のお子さん→準主役の母親→その次に祖母」という順番で格を整えるとイメージしやすいと思います。

お父様がスーツでも、気にせず着物を着て大丈夫

もう一つよく聞かれるのが、お父様がスーツの場合、母親の着物とのバランスをどうすればいいかという相談です。これも気にする必要はなく、お父様がスーツでも、母親は気にせず着物を着て問題ありません。むしろ、母親が着物を着ることで家族全体の装いの格式が上がって見えます。

まとめ

七五三の母親の着物は、訪問着と色無地のどちらを選んでも間違いではありません。両方お持ちなら、主役であるお子さんに次ぐ準主役として、訪問着を選ぶと華やかさのバランスが取りやすくなります。色柄は年代に極端に外れていなければ気にしすぎなくてよく、祖母が同席する場合は母親をやや格上に、お父様がスーツでも母親は気にせず着物を着て問題ない、という点を覚えておくと、当日の装い選びに迷わずに済むはずです。


著者プロフィール
絹路(Kinuji)。呉服の現場に15年以上携わってきた経験から、着物にまつわるTPOや選び方を、日々の相談をもとに紹介しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です